国指定重要文化財
法華経寺祖師堂

国指定重要文化財 法華経寺祖師堂
ナレーションを再生する

法華経寺には、祖師堂そしどう五重塔法華堂四足門という国指定の重要文化財の建物があります。

祖師堂は、日蓮宗を開宗した日蓮聖人を祀る大堂です。鎌倉時代の1325(正中しょうちゅう2)年に創建され、当時は柱と柱の間が五つある五間堂という造りでした。

現在は七間堂で、これは江戸時代中期の解体修理によるものです。正面から見た横幅が約26.5mあり、屋根を二つ並べたような比翼入母屋造ひよくいりもやづくりの形式を持つのが特徴です。この造りの屋根は全国的にも大変珍しく、他には国宝の吉備津きびつ神社本殿だけとなります。

堂内は、正面吹き抜けの外陣げじん、本尊が祀られた内陣ないじん、その両脇の脇陣わきじんと背面の後陣ごじんに区切られています。内陣と外陣の境上部には揚格子あげこうし、下方には聖なる領域と俗なる領域を分ける結界と呼ばれる、取り外し可能な仕切りがあります。また内陣と脇陣の境にも同様な結界があり、大きな行事の際には、これらを開け放って堂内を広く使うことができるように工夫されています。これらは、日蓮宗の仏堂によく見られる特有の形式です。内陣は、板敷きが本来の形ですが、現在は畳を敷き詰めています。天井は格縁ごうぶち天井と呼ばれるもので、黒塗りされた格子を碁盤目状に組んでいます。天井板には法華経寺の寺紋である桔梗紋が描かれ、特に内陣を囲むように極彩色で塗られ荘厳な趣になっています。

祖師堂は関東地方では数少ない日蓮宗の大堂で、その規模や形式から当時の庶民信仰の盛んな様子がうかがわれます。

1987(昭和62)年から始まった解体修理は10年の歳月を費やして1997(平成9)年に完了しました。小さな木の板を無数に組み合わせ作られたこけら葺の比翼入母屋造の姿が復原されました。

祖師堂は、江戸時代初期の1601(慶長6)年の修理の様子を記録した木製の棟札とともに1985(昭和60)年5月18日に国指定重要文化財に指定されました。

アンケートにご協力ください

  1. 映像や解説をご覧になって新しい発見はありましたか?

  2. 市川市内の他の文化財を訪れたい(知りたい)と思いますか?